【吸収・分布・代謝・排泄】

吸収・・・口から飲んだクスリは、胃や小腸粘膜から吸収されて血液の中に入ることをクスリの「吸収」という。坐薬は、肛門より直腸から吸収される。吸収されたクスリの濃度を「血中濃度」というが、これがクスリの効果や副作用等に大きく関わってくる。血中濃度が高すぎても、低すぎても期待する効果はあらわれない。高すぎるとかえって、有害な副作用を引き起こすことがある。クスリの効果を期待するには、適切な血中濃度が大事。同じクスリを同じ量飲んでも、年齢・性別・体の状態で血中濃度は違うので、勝手に判断してクスリを飲むことはよくない。

分布・・・胃や小腸で吸収されて血液中に入ったクスリが、血流に乗りいろいろな組織に運ばれることを「分布」という。クスリはそこにとどまり効きめをあらわす。

代謝・・・ある程度の期間、組織にとどまって効きめを果たしたクスリは、血流に乗って肝臓へ運ばれ、いろいろな酵素によって分解される。これを「代謝」という。クスリの相互作用に大きく関わってくる。あるクスリを分解する酵素が他のクスリを分解する酵素をじゃましたり、じゃまされたりすると予期せぬ悪い効果があらわれる。

排泄・・・クスリは最後には、消化管へ分泌されたものは便の中へ、血液中に入っていたものは腎臓を経由して尿の中へ捨てられる。これを「排泄」とよぶ。


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