■葛飾北斎(かつしかほくさい、1760-1849)
江戸時代後期の浮世絵師。初め勝川春章の門に入り、春朗と号し、のち宗里、画狂人、戴斗、為一、卍など画風とともにしばしばその号を変えた。生涯の引越し回数96回。画号の多さと共に奇人との風評もある。『富嶽三十六景』といった風景画で有名だが、“宗里風美人”と呼ばれる富士額のはんなりとした美人画や、幕末の混乱した世相の需要から生まれた怪談噺の連作『百物語(ひゃくものがたり)』 などその創作活動は幅広い。自らの号が示すようにこの人の描く画は、かなり狂っている。だけど同時に私にはとてつもないやさしさが感じられる。誰がなんと言おうと、この人天才です。