今日から始める男の趣味今日から始める男の趣味

今日から始める男の趣味 男の野菜作り
自分の手で作る野菜作り―それは、心地よい自然との対話。汗を流す充実のひととき・・・・。

週末になったら太陽の下で野菜作りをしてみませんか?
昔、子供の頃遊んだ自然の土の匂いをかぎながら、そして、心地よい汗を流しながら野菜作りをしてみましょう。野菜を育てる愉しみ、収穫する愉しみ、そして、自分で作ったとびきりの新鮮野菜を、家族や友人たちと分かち合う醍醐味は、きっと、充実したひとときをあなたに与えてくれるでしょう。
さあ、今日からあなたも愉しい“野菜作り”にチャレンジしてみませんか?

菊地さんの野菜作り入門



菊地禮禧氏

4年前から野菜作りを始めた菊地さんです。
昨年、リタイアして自由な時間ができたので、野菜作りを愉しむ傍ら、ドミタス農園のお手伝いをしているそうです。ベテランの方の都合が悪く、急遽、講習会の講師を務めることになったとか。ちょっぴり、先輩の立場から、初心者にも分かりやすい講習を心がけたそうです。今回は、ドミタス農園での“初心者向け野菜作り講習会”をご紹介します!


野菜作りの実践編 野菜作りの実践編はこちらから



春蒔きネギの実践風景
実践1~春蒔きネギの栽培例と種まき・苗植付け
実践2~丈夫な支柱の組み方
実践3~トンネルと防虫ネットの作り方
実践4~きゅうりネットの張り方

野菜作りの基礎知識 野菜作りの基礎知識はこちらから



農具
畑作り~畑作りの5つの条件
農具~耕作用具・野菜用資材
栽培計画~連作障害・輪作の期間・連作しても障害の出にくい野菜


菊ちゃんのひとりごと

野菜作り実践風景 「野菜作りって、何が面白いんだろう?」

 よく人からこう聞かれます。たいていの答えは、「自然と触れ合うことができる」とか、「植物を育てる面白さ」、「安全な野菜が収穫できる」、「旬の野菜を味わえる」などです。どれもが本当には違いないのですが、これだけでは言い足りません。
 自分や家族の食べ物を自分が栽培する時、自分が収穫して持ち帰る時に感じる満足感や達成感は何にも喩えようがないものです。買った野菜とは比べものになりません。
 もしかして、有史以前に遺伝子に組み込まれた収穫本能の表れなのかと思うのです。家庭菜園を始めたほとんどの男たちがはまっていくその姿を、野菜作り遺伝子論に照らして、ひそかに頷く今日この頃です。



『家庭菜園ネットワーク』ドミタス プロフィール

採れたての野菜を持ち帰る会員たち

ドミタスは農地の有効活用を通じて、より多くの皆様に野菜作りの機会を提供いたします。ドミタス・ファームの家庭菜園は収穫の喜びはもちろん、運動やストレスの解消、また仲間との交流の愉しみがあります。ぜひ、この機会に入会してはいかがでしょうか?

●ドミタス農園へのご入会お申し込みは、こちらまでご連絡ください。

ドミタス農園


ドミタス農園

〒227-0062
横浜市青葉区青葉台2-10-11
Tel 045-983-6233
Fax 045-983-7158
代表取締役  下山 博氏
■家庭菜園「ドミタス」のホームページ
http://www.kateisaien.com/



野菜作りの実践編

 野菜作りは、あれこれと考える前に汚れてもよい靴と服を着て、土がある畑(または家庭菜園)に行って体験してみることです。講習会では、春蒔きネギの種を蒔いたり、支柱やトンネル作り、きゅうりネットの張り方などを実践しました。意外に愉しかったり難しかしそうだったりと、やはり、見るのと体験するのとではかなり違うようです。

実践1

春蒔きネギの栽培例

1/2/3/4/5

1.
ネギは酸性に弱いので早めに前作をかたづけ、石灰と肥料を混ぜ込んでよく耕しておきます。
2.
畝の表面を、横長の板で平らにならし、さらに上からたたくようにして表面をならします。(発芽の揃えがよくなる)
3.
片方の手でもみながら、全面に1cm間隔くらいに種を蒔きます。
4.
フルイで種が見えなくなる程度に土をかけていきます。
5.
ジョーロで水をたっぷりとかけます。(ちょっと掘ってみると意外に水が中まで浸透していないことが多いので、かなりたっぷりとかけるのがコツ)

春蒔きネギの栽培時期

種まき・苗の植付け
■ベッドすじまき・・・ほうれん草、小松菜、春菊などの例
1.
クワの背面で溝をつくり、そこに種を蒔く方法や、板切れなどで等間隔に溝を作って種を蒔く方法などがあります。いずれも、ムラなく等間隔に種を蒔くように注意します。
1
2.
土を1cmくらいかけ、クワの背面で軽く押さえるようにします。(発芽の揃いがよくなります)
4.
水をたっぷりとかけます。
■点まき・・・とうもろこし、だいこん、かぶなどに向く
1.
直径5~6cmのビン底で円形の印をつけます。(種が片寄らなくてよい)
1/2
2.
1ヵ所に4~5粒ずつまき、1cmくらい土をかけます。
3.
水をたっぷりとかけます。
■アスパラガスの苗の植付け
植付けのポイントは、深植えをしないということと、植えた時にたっぷり水やりをすることです。
○
良い方法は、なるべく根が横に広がるように植えます。
×
縦に深く植えると、根が横に広がるのに時間がかかりよくありません。

実践2

丈夫な支柱の組み方

1/2/3/5

1.
支柱を斜めに傾けてさし込みます。
2.
反対側の溝にも支柱を斜めに傾け、先に立てた支柱と交差するようにさし込みます。
3.
支柱と支柱が交差している部分に横支柱を渡します。なお、横から見てきれいに支柱が並ぶようにします。
4.
斜めにすじかい材を加えます。
5.
交差部分をしっかりとヒモで結びます。
6.
苗は支柱の内側に植えていきます。

実践3

トンネルと防虫ネットの作り方

2/4/6/7
1.
支柱材を約60~70cm間隔でさしこみます。
2.
畝をまたぐようにして支柱を曲げ、向こう側にさしこみます。
3.
畝の端は隅の野菜に影響が出ないように、少し斜めになるようにかけます。
4.
両サイドに杭を打ち、杭と全ての支柱をビニールヒモで結びます。
(こうするとトンネルの強度が上がります)
5.
防虫ネットを上にかぶせます。
6.
防虫ネットの外側にも支柱をかけて押さえます。(強風の時にネットがまくれあがるのを防ぐため)
7.
ビニールの端に土を十分にかけ、足で踏み固めます。
8.
トンネルの両サイドの端も、土を十分にかけ、足で踏み固めます。
◆ネットの利便性

パオパオやビニールに比べて、ネットは風を通しやすいので風に飛ばされにくい。
温度が上がってきても蒸れることがない。
水やりがネットの上から簡単にできる。
虫がつきやすい野菜に向く。


実践4

きゅうりネットの張り方

1/2/3/4/5

1.
支柱を作ります。(支柱の作り方参照)
2.
市販のきゅうり用ネットを購入し、支柱の上部にかけた横支柱に沿って1本ヒモを通します。
3.
支柱に沿ったヒモにきゅうり用ネットを通します。
4.
きゅうり用ネットを束ねているヒモをはさみで切ります。
5.
ネットの端を見つけて棒にくくりつけます。(4ヵ所くらい)

6/7/8/9

6.
全体に均一になるように広げます。
7.
支柱の下の部分に1本竿を通します。
8.
ネットのひし形がピンと張るように整えながら広げていきます。
9.
端を始まりと同様に支柱にしっかりと結びつけます。

◆上手なネットの張り方のコツ

ネットにひもを通すこと。
ネットの端をしっかりと結ぶこと。
支柱の下側に1本竿を通すこと。

野菜作りの基礎知識

 よい野菜を作るためには、やはり基礎知識が必要です。野菜作りのコツを押さえて、体験を重ねて、いろいろな失敗をたくさんするのが上達の早道かも知れません。

野菜作りの基本は畑の土づくりです。野菜が大きく育っていくためには、根がしっかりと土中に伸び、その根が十分に養分や水分を吸収できるようになっていることがたいへん重要です。 畑作りの5つの条件 1.水はけ・通気がよいこと。 2.保水力があること。 3.土の酸度が適正であること。 4.肥料分に富んでいること。 5.病原菌・害虫が少ないこと。
よい土作りの基本

土の中に堆肥や腐葉土などの有機物を混在させ、よく耕してスポンジ状にします。土と土の間に空気が入るので、水はけがよく、土中の酸素も豊富で、保水力にも富みよい土になり、野菜がよく育つようになります。
冬の間に、堆肥や腐葉土をたくさん入れて耕し、数週間おいて繰り返し、これを数回繰り返すとよい土になっていきます。

野菜の取入れが終わったら

苦土石灰(※1)と堆肥を畑の土によく混ぜ込んでから、次の野菜を植えます。
小松菜やラッキョウなどの丈夫な野菜は、植えただけで育ちますが、肥料を補充しないと、土がどんどんやせてしまいます。

(※1)
【苦土石灰(くどせっかい)】

ドロマイトまたはドロマイト質石灰岩を焙焼してつくる石灰肥料。

肥料の使い方

よい野菜が育つためには、肥料が重要なはたらきをします。肥料の種類には、油粕、魚粕、米糠などの有機質肥料と、硫安、過リン酸石灰、硫酸カリなどの無機質肥料があります。
また、無機質肥料の中には化成肥料のような複合肥料があります。
家庭菜園用としては、有機質の肥料と、各種成分を含んだ化成肥料を合わせて使うのが一般的です。

元肥(もとごえ)の施し方

施す全体の肥料の1/2~1/3くらいを元肥(もとごえ)にします。
野菜の種類によって施し方が違うので注意が必要です。

浅く広く根がはるもの(キュウリ、とうもろこし、ハクサイなど)
根が成長・肥大するもの(ダイコン、ニンジン、カブなど)
元肥を畝全面にばらまき、20~30cmの深さに混ぜ込みます。

根が深くはるもの(トマト、ナス、ピーマン、メロン、オクラなど)
種まきや植付けの前に、根の下10~20cmの深さに施し、その上に土を盛り、その後の育ちぐあいに応じて追肥していきます。

初心者にはスコップとクワとジョウロがあれば、野菜作りが始められます。しかし、農具には先人の知恵と工夫が盛り込まれており、作業効率が良いもの、余分な力がいらないものなどがありますので、野菜作りの経験を積み重ねるに従い、これを有効に使いこなすことが得策です。
耕作用具

ドミタスファームでは、次の農具を共同で使っています。

スコップ/クワ/レーキ/除草クワ/整地用の板

その他フォーク、ジョウロ、薬剤散布用の噴霧器、移植ゴテなども必要になってきます。

支柱/ポリマルチ
野菜用資材

使用頻度の多い資材は次のようなものです。
1.支柱
トマト、きゅうり、なすなどの支え用

2.トンネル用支柱
保温や虫除けなどのために、トンネル掛けをする支柱

3.ポリマルチ
畝全体をポルマルチで覆い、栽培すると次のような利点があるので、家庭菜園ではポルマルチは多用されています。なお、ポルマルチには、黒色、透明、シルバーなどの種類があります。


◆ポリマルチの利便性

水分の蒸発が少ないので、水やりの手間がかからない。
畝から肥料分が流出しにくい。
雑草が生えにくい。(透明マルチを除く)

4.被覆(ひふく)材、保温材
保温や防虫のため、トンネルに被せたり、野菜を直接覆ったりする、各種の被覆材、シートなどはたいへん有効な資材です。横浜市内陸部の気候条件でも、これらを活用すれば、温室がなくても年間を通して、野菜作りができます。


野菜は、植付けの適切な時期に植えるのが重要なポイントです。例えば、大根は春と秋に栽培できますが、初心者には断然育てやすいので、秋に蒔く方法をおすすめします。
連作障害

連作(※2)障害の主な原因は、土壌病害虫や、その他根からの生育阻害物質の分泌などが原因とされています。

輪作の期間
連作障害の出やすい野菜ほど、輪作にあたって休閑を要する期間は長くなります。
4~5年輪作(※3)・・・ナス、トマト、ピーマン、スイカ、エンドウなど
2~3年輪作・・・キュウリ、インゲン、ソラマメ、ショウガなど
1年輪作・・・ハクサイ、レタス、エダマメ、セロリなど
連作しても障害の出にくい野菜

サツマイモ、カボチャ、コマツナ、ラッキョウ、タマネギ、フキなど


連作障害

1. 堆肥をたくさん混ぜこみます。
2. 連作障害に強い作物を台木にした接ぎ木苗は、本来連作できない野菜でも連作が可能にします。
3. トマト、ナス、キュウリなどの接ぎ木苗は、苗の値段が若干高いが、連作障害にあいにくくなります。
(4月末から5月上旬にかけてホームセンターなどで販売している)


(※2)
【連作(れんさく)】

同じ土地に、毎年続けて同じ作物を作ること。ナス科植物は連作のきかないものが多い。

(※3)
【輪作(りんさく)】

地力の維持と病虫害をさけるため、同じ土地に生態的性質の異なる作物を一定の期間を置いて周期的に栽培すること。