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今日から始める男の趣味 男の野菜作りVol.3


野菜作りの愉しみ

●講師/ドミタス農園 菊地禮禧さん/男の野菜作りは、あくなき野菜への探求心!

 「男の野菜作り」の講師を務めているのは、リタイアがきっかけだったという野菜作り暦5年目を迎える菊地さんです。菊地さんは野菜作りの面白さは、“自然を身体で感じながら、自然の恵み(野菜)の上手な受け止め方を探求すること” であると言います。どうしたらもっと美味しく野菜ができるのか、土は?水は?肥料は?温度は?と課題が多く、野菜作りの奥が深いため、これをひとつひとつ解決してゆく愉しみがあるそうです。また、作り方を多少間違えても、野菜の生命力で見た目は悪くても(?)美味しい野菜に育ったり、初心者がビギナーズラックで豊作をものにすることがあったりと様々な愉しみがあります。また、野菜作りを通して共に愉しむ菜園仲間との交流もなくてはならないものだとか。ライフスタイルに野菜作りをプラスして人生を愉しんでいる菊地さんに、今回はドミタス農園の畑から野菜の紹介と成功する栽培のポイントをご指導いただきました。



●ドミタス農園の会員/中川さん/新鮮な美味しい野菜を食べられることが最高です!

 ドミタス農園の会員になってまだ半年という美人の中川さんです。ご主人と2人で、もうすっかり野菜作りにはまってしまったそうです。暑い夏でも1日に3回程も足を運んだという熱心さです。中川さんの畑には、20種類ほどの野菜が育っています。「野菜作りの醍醐味は?」とお伺いすると、「新鮮な美味しい野菜を畑から取ってきてすぐに食べられること」と、ニッコリ。ホウレンソウはゆでるのがもったいないほど、生でサラダにして食べるのが1番美味しいとのこと。また1度にたくさんの野菜が収穫できるので、お知りあいの方に野菜をお分けするのも愉しみのひとつだそうです。「美味しかった」と言ってもらえると、嬉しくてまた野菜作りに励んでしまうとのことです。新鮮な野菜はお肌にもよいのですね。紫外線をカットするコスチュームも中川さんが考えました。中川さんの作られたオクラは最高級でした!




ドミタス農園の野菜紹介

野菜の画像をクリックすると詳しい解説が見られます。

オクラ

アスパラガス

インゲンマメ

ネギ

タマネギ

サトイモ

シシトウガラシ



そこが知りたいQ&A

各画像をクリックすると詳しい解説が見られます。







ドミタス農園の秋の収穫祭

 秋野菜の収穫も終わりに近づいた11月はドミタス農園恒例の収穫祭の時期です。野菜作りを愉しむ仲間が収穫を持ち寄り、料理の腕を振るいます。 きれいに仕上がった料理やらちょっぴりおこげになっちゃったものまで、アウトドアの青空の下ではどれも美味しいものばかり。♪森の木陰でドンジャラホイ~♪とても賑やかです。野菜作り失敗談やら成功談(ビギナーズラックも)や、はたまた野菜とは無縁のお話等々・・・。こんな仲間との交流も家庭菜園の大切な愉しみのひとつです。
 今年はドミタス農園の4箇所で収穫祭を行い大いに盛り上がりました。


ドミタス農園プロフィール
ドミタス農園は農地の有効活用を通じて、より多くの皆様に愉しい野菜作りの場を提供いたします。ドミタス農園の家庭菜園は野菜作りの愉しみや収穫の喜びはもちろんですが、日頃の運動不足やストレスの解消、そして仲間との交流の愉しみがあります。初心者の方には野菜作りセミナーやていねいな指導をしています。現在は青葉区の6ヶ所で約200区画の菜園の運営をしていますが、2004年度は都筑区、戸塚区にも開設する予定です。ぜひ、この機会に入会してはいかがでしょうか?




●ドミタス農園へのご入会お申し込みは、こちらまでご連絡ください。

住所  〒227-0062 横浜市青葉区青葉台2-10-11
代表取締役  下山 博氏
Tel 045-983-6233 Fax 045-983-7158
家庭菜園「ドミタス」のホームページ  http://www.kateisaien.com



ドミタス農園の野菜紹介/農園では、たくさんの種類(約70種類)の野菜が作られています。好きな時に訪れて、自分の畑の様子を眺めている方、お茶を持参して仲間同士で寛いでいる方、黙々と畑を耕している方と、皆それぞれに生き生きと愉しそうにしているのが印象的です。農園の野菜作りは自然に親しみながら、趣味としても、健康面では心身のリフレッシュとしても、自分の体力に応じた愉しみ方ができるのが魅力です。農園の野菜の中から、おすすめの野菜をご紹介します。



オクラ

アオイ科 原産地 アフリカ
特長
盛夏を通してよく育つ。花は寒い時期まで咲き続ける。耐寒性は弱く、特に10℃になると生育しなくなる。
栄養
ねばねばの主成分は糖質、ペクチン、ガラクタン、アラバンなどの混合物で整腸作用がある。他にカルシウム、鉄分、カロチン、ビタミン(A,B1,B2,C)やミネラルが豊富で健康に非常によい緑黄色野菜の代表選手。


7~9月 収穫期

オクラの栽培時期

●成功のポイントアドバイス!

吸肥力が強くて深く根を張るので、深く耕して堆肥と肥料を多めに混入する。こまめに追肥すること。
低温に弱いので、温かい環境で種まきし苗を育て、外気温が充分に上がってから畑に苗を定植するとよい。
1ヵ所に2~3株まとめて定植し栽培すると、狭い畑でも多くの収穫量が得られる。
サヤが7~9cmになったら収穫する。育ちが早いので収穫が1~2日遅れると巨大化し食用に適さなくなる。
収穫したサヤの下葉を2枚ほど残し、その下の葉は摘み取って通風や光線透過をはかる。

 ドミタス農園で、ひときわ目立っていたのがこのオクラ。高さ60~80cmくらいが一般的ですが、中川さんのオクラは中川さんの背丈より大きく、なんと2m程もあります。オクラも20cmくらいの大きさで美味しさも抜群です。下から見上げると、ハイビスカスにちょっと似た、大きな黄色い花がとてもきれいです。

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アスパラガス

ユリ科 原産地 ヨーロッパ
特長
野菜では珍しい永年生作物で、1回植えると10年くらいは収穫ができる。適当な所で日に当てるとグリーンアスパラになり、日が当たらないように土をかぶせて栽培すると、ホワイトアスパラになる。
栄養
カロチン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンEを同時に摂取することができ、疲労回復や滋養強壮にも優れている。また、抗腫瘍作用もあり、赤血球をつくるために必要な葉酸を含んでいるので貧血にも効果がある。高血圧予防のルチンも含む。


7~9月 収穫期

アスパラガスの栽培時期

●成功のポイントアドバイス!

毎年収穫できるからといって放置すると病原菌に侵され枯れてしまう。
除草や追肥等の手入れを怠らないように注意する。
茎が細く風で倒されやすいので、茎が伸びてきたら支柱で支える。

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インゲンマメ

マメ科 原産地 中南米
特長
摂氏20℃くらいの冷涼な気候を好むが、寒さには弱く、霜にあたると枯れる。また、30℃を超える高温では実のつきが悪くなり奇形が発生しやすくなる。種まきから収穫まで2ヶ月と成長が早いので作りやすい。連作を嫌うので、1度使用したところでは3年の輪作にするのがよい。
栄養
カロチンや食物繊維が豊富。さらにビタミンCやビタミンA、Bも多く含む健康野菜。


7月 収穫期

インゲンマメの栽培時期

●成功のポイントアドバイス!

大きく分けると、ツルなし種とツルあり種がある。
ツルなし種は短期間に収穫を終えるが、ツルあり種は長期間にわたって収穫できるので家庭菜園に向いている。
1ヵ所に2,3粒まきにしますが、種はまく前に1晩水に浸しておくと発芽が揃う。3cmくらい厚さで土をかぶせ、手のひらで軽く押さえる。ツルあり種は支柱が必要だが、発芽後10日もするとツルが伸び始めるので早めに立てるのがポイント。

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根深ネギ

ユリ科 原産地 中国
特長
春まき栽培と秋まき栽培がある。高温・低温によく耐える。特に根深ねぎは通気性のよい土壌で育つ。
栄養
古来から身体を温め疲労を回復する薬用植物と言われてきた。独特の臭いのもとである硫化アリルは、ビタミンB1の吸収を助ける効果があり、殺菌効果のあるアリイン成分が多く含まれる。


9月~12月 収穫期

根深ネギの栽培時期

●成功のポイントアドバイス!

苗を定植する溝はクワを使って30㎝程度の深さに掘る。
畑を耕した直後に溝を掘ると溝壁が崩れやすく、作業しにくいだけでなく苗を直立して植えることも難しくなる。
苗の定植は、苗を垂直に植え根元が隠れる程度(1~2㎝)に薄く土をかぶせ、その上に乾燥防止のためにワラなどを敷くとよい。

●春蒔きネギの栽培例→野菜作りの実践編1へ
第1回(3月下旬)に種まきした根深ネギが7月に苗を定植して、9月上旬で葉っぱがずいぶんと大きく伸びました。この状態からさらに2ヶ月程経つと、白い部分が多くなり11月~12月には美味しいネギが収穫できます。

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タマネギ

ユリ科 原産地 中央アジア、地中海沿岸
特長
寒さには強いが、夏の暑さに弱いので、普通は秋まきで、翌年の春から初夏に収穫する。
栄養
ビタミンB、C、カルシウム、鉄分が含まれ、“野菜の王様”と言われている。


5月~6月 収穫期

タマネギの栽培時期

●成功のポイントアドバイス!

苗の定植には穴あけ加工してある黒ポリマルチ(タマネギ専用の7条)を使用するとよい。
種まき後2ヶ月間でしっかりした苗に育ててから定植するのがポイント。よく育っていない小さい苗や種まきから大幅に経過した老化苗ではよいタマネギが育たないことが多い。
よい苗は直径7~8mmの鉛筆くらいの太さ、長さは25cmが目安。深植えをしないのがポイント。
1月下旬~2月上旬に1回、3月中~下旬にもう1回、苗の周囲を除草して追肥と土寄せをするとよい。

タマネギの栽培例



1.あらかじめ苗床全体をよく耕し、苦土石灰、堆肥、肥料を土に混ぜ込んでおく。
2.畝を作り、板切れなどを使って表面をきれいにならす。
3.表面に凹凸がないよう、また硬さが均一になるよう板で表面をたたく。


4.板切れで深さ10cm間隔、深さ2~3cmのまき溝をつくる。
5.まき溝に種を2~3㎝間隔に一粒ずつまく。




6.フルイで種が見えなくなるくらい土をかける。

7.さらに、その上に完熟堆肥を細かく砕いたものをかける。



8.ジョーロで水をたっぷりとかける。
9.発芽するまでの保護として、寒冷紗で被覆する。寒冷紗は4,5日後に発芽したら取り除く。
10.トンネル用支柱を使い畝全体を防虫ネットで覆う(虫が多い時期のため)。

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サトイモ

サトイモ科 原産地 マレー半島
特長
大きな葉っぱが特長。高温を好み夏の暑さでよく成長するが、寒さには弱く霜にあたると枯れる。また、多湿を好み、乾燥を嫌う。連作障害が出やすいので、畑は2~3年休閑する。
栄養
主成分はでんぷんとタンパク質。食物繊維やカリウムも多く含まれる。ほかにカルシウムと鉄を含んでおり、ビタミンB1やCも豊富。サトイモのヌルヌルの成分は、ムチンやガラクタンといわれるもの。肝臓や腎臓を強化し、タンパク質の消化・吸収を高める働きもあるので、夏の暑さで疲れた体に力を回復させてくれる。


9月~11月収穫期


●成功のポイントアドバイス!

種イモは10㎝程度の深さに植え、地温を上昇させるために黒のポリマルチで覆う。
株元から出たわき芽は刈り取る。

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シシトウガラシ

ナス科 原産地 熱帯アメリカ
特長
高温を好む。栽培が容易で多くの収穫量が期待できる。栽培期間は長く、6月から10月まで収穫することができる。
栄養
ビタミンC、ビタミンA、ナイアシン、カリウム、食物繊維。夏バテ解消のビタミンC、カロチンが豊富で、からだの免疫機能を高め、疲労回復の効果が高い。


6月~10月収穫期


●成功のポイントアドバイス!

長期間の収穫を望む場合は、遅くとも5月上旬までに苗を定植することが望ましい。その場合は市販の苗を購入するとよい。
暑い時期には20日ごとに追肥を施すこと。
近くでトウガラシを栽培すると、その花粉が混入して辛いシシトウになることがあるので注意する。

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そこが知りたいQ&A/ドミタス農園の野菜作りは、なんといっても美味しい野菜を作ることが目的です。そのために種をまいた後に、いろいろな工夫をして育てていきます。土、肥料、水から始まり、防寒、防暑、防風などの工夫、害虫、病気の対策などたくさんの注意すべき点があります。美味しい野菜作りは野菜への探究心の成果でもあります。ここでは、畑でよく見かける防虫ネットやポリマルチ、そして美味しいトマトの見分け方を菊地さんにお伺いしました。

防虫ネット


Q1.虫食いの野菜になってしまうのですが、どうすればよいですか?

A.防虫ネットは害虫を防ぐだけでなく、通気性があるので大変便利です。
美味しい野菜は、虫にとってもたいへん美味しいのです。そこで、虫が多くなる9月、10月になると防虫ネットが必要になってきます。

防虫ネットには、次のような特性があります。

1.
パオパオやビニールに比べて風を通しやすいため、風に飛ばされにくい。
2.
通気性があるので、温度が高くなっても蒸れることがない。
3.
水やりがネットの上から簡単にできる。
4.
虫の侵入を防ぐ。

●トンネルと防虫ネットの作り方→野菜作りの実践編3へ

●成功のポイントアドバイス!
しっかりと裾まで野菜を覆い、土にしっかり埋めるのがポイント。
上から鉄の棒でささえると、風が吹いても飛ばされない。
しっかり密閉すれば、虫の侵入を完全に防げる。




ポリマルチ


Q2.黒いビニールで土を覆っているのを見かけますが、どんな効果があるのですか?

A.害虫を防ぐだけでなく、保湿効果があるので発芽や成長を早めます。
黒いビニールは「ポリマルチ」という資材です。発芽のための保護や保温効果があり成長を早めます。発芽したら、ビニールに切れ目を入れます。

ポリマルチには、次のような特性があります。

1.
水分の蒸発を防ぐので、水やりの手間が省ける。
2.
肥料分が外に流出しにくい。
3.
地面を被覆することにより地温が上昇するので、種まき後発芽してからの成長が早い。
4.
透明タイプと、黒色タイプがあるが、雑草が生えやすいところには黒色タイプが適する。

1.畝の表面を慣らした後、水をまく。クワなどを使って畝の周囲に浅い溝を掘っておく。ポリフィルムの中に棒を差して、フィルムを回しながら伸ばしていく。

2.両サイドは土を十分にかけ、しっかり足で踏み固める。(土に水やりした後が固まりやすい)
3.ビニールの上から、はさみやカッターで苗の植え込み部分を切る。

4.切り目のところから穴を掘り、苗を植え込みたっぷりと水をかける。

●成功のポイントアドバイス!
慣れないうちは、風の弱い日に誰かに手助けをしてもらい2人で作業したほうがよい。
風上側から先にマルチを張っていったほうが作業がしやすい。




美味しいトマトの見分け方


Q3.市販のトマトは味がよくありませんが、美味しいトマトを見分ける方法はありますか?

A.トマトをにぎっただけで完熟度がわかるときがあります。
 トマトの原産地は南米アンデス山地で、きわめて雨が少ない地域。そのためトマトは雨を嫌います。味のよいトマトとは、堆肥などの有機質肥料をしっかり入れた土で、水やりを少なく育て、さらに完熟するまで待ってから収穫したものです。市販のトマトの中には、流通に要する何日かの間に赤くなることを見込んで完熟する前に収穫したものが多くあると思われます。
 完熟したトマトは、にぎると硬く感じますが、収穫してから時間が経過したトマトは柔らかく感じます。ただし、これは微妙な感覚の違いなので誰にもわかるというものではありません。(菊地さん談)