
これらの歌手たちは圧倒的な人気を博し、中には唄ばかりでなく映画にも出演して大スターの道を歩んだ人もいます。特に、
フランク・シナトラはハリー・ジェームス楽団を経て、トミー・ドーシー楽団で「アイル・ネバー・スマイル・アゲイン」「スター・ダスト」などのヒット曲を連発して当代一の人気歌手になりました。映画『地上より永遠に』でアカデミー助演男優賞を獲得し、その後のスクリーンでの大活躍。アメリカを代表する世界的歌手として、また映画スターとして、頂上を極めたことは皆さんご存知の通りですね。今後しばらくはフランク・シナトラのような歌手は出ないだろうとも言われています。
ビング・クロスビー。この人は名曲「ホワイト・クリスマス」で全世界の人に知られましたが、同様に映画出演も多く、都会的な洒落たセンスで、肩から力を抜いたようなスウィング感溢れる唄い方で女性ファンを沸かせています。ボブ・ホープ、ドロシー・ラムアーと組んだ映画〔珍道中シリーズ〕の『アフリカ珍道中』『アラスカ珍道中』『バリ島珍道中』などは特に人気を博しました。ビングはこの映画で、ビングの才能を十分発揮し観衆を沸かせています。また映画『上流社会』では、モナコ王妃になって最後は悲運の人生の幕をおろしたグレース・ケリーと共演、あかぬけた洒脱な演技と唄をスクリーンいっぱいに披露しています。この映画ではフランク・シナトラ、サッチモも共演しています。その他の映画出演としては『ブルー・スカイ』『喝采』『夜は夜もすがら』『7人の愚連隊』なども名高いところでしょうか。